歴史 繊維ロープの総合メーカー 石田製綱株式会社

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愛知県蒲郡が生んだ、日本有数のロープメーカー。数々の決断が作った、100年の歴史。

石田製綱のはじまり愛知県蒲郡市の西部にある形原町。県下でも有数の港町があることから、漁に使われるロープ生産が盛んな土地柄でした。この地域の国内生産量は、当時50%。
小さな港町の大きな産業として発達してきたのです。
石田製綱のはじまりは、大正8年までさかのぼります。故石田末蔵氏によって、創業されました。当時は主にマニラ麻などの天然素材を使い、手作りに近い形でロープを一本一本丁寧に撚り続ける作業からスタート。
繊維でのロープ生産は時代の需要にマッチしており、事業は蒲郡から日本全国へと拡大。工場も移転し、新しい機械を導入。株式会社へと成長を遂げることに成功したのです。

衰退か、更なる快進撃か昭和37年。2代目社長の栄二氏が47歳の若さで他界。
その7年後に入社した次男の康太郎(故会長)は、会社の実態に唖然としました。当時、破竹の勢いで業績を伸ばし続けた石田製綱の姿はありませんでした。顧客は全国に数件のみ。そんな中お客様のニーズに応えられる商品がないことに気づいたのです。
昭和47年。若干28歳にして、社長に就任することになった康太郎氏。「時代に合わないものを売るのはよくない。もっといい商品をたくさん作ろう」という企業再生に向けての堅い決意から、数々の決断を下すことを余儀なくされます。
まず一つは商品改革。天然繊維ロープの需要は、時代の流れとともに失われつつあるのではないか。そう感じた康太郎は、合繊素材への一本化を決意したのです。
その次に、取り組んだのが組織体制の強化。創業当時からの想いを一緒に共感できる仲間を責任者へと就任させました。全国に販売チャンネルと再度新規開拓を行い、流通のネットワークを構築していったのです。

自社ブランドの立ち上げ昭和54年、それまで仕入れに頼っていたロープの原糸を自社で生産することに着手。
それにより取引先を失うなどの大きなリスクも背負うが、結果、圧倒的な営業力と商品開発力により業績は右肩上がりへと回復を始め、一貫生産を手掛けるロープ業界のトップメーカーへと歩を進める足がかりとなりました。TASTONの誕生。売上が伸び、顧客も増え、事業が軌道に乗ってくると次の目標を考え始めました。「俺たちはずっとロープだけを売っていくのか?」「このままでいいのか?」当時、石田五兄弟と従業員は、何度も語り合いました。「今後はもっと商品構成を増やし、事業領域を広げていこう」「業界トップといわれるメーカーになろう」そんな熱い想いから生まれたのが「TASTON」というブランドです。

水産・陸上・船舶業界において、道具としてのロープはその名の通り「命綱」になるもの。
硬さ・太さ・耐久性・手触り・使いやすさ…何度も現場に足を運び、試行錯誤を繰り返し、TASTONブランドのロープは完成しました。
さらに海外展開を見据えて、社名を「TASTON」に変更するということさえ、議論されるようになっていったのです。

一流ブランドに向けて。ブランドロゴをつくり、商品名と共に商標登録を行いました。
それまでのロープ業界にはありえなかった商品の総合パンフレットを作成するなど、「古くさいイメージのするロープ業界を変えたい」「TASTONを、世界に通用するブランドにしたい」と本気で考えていた石田製綱の挑戦は、とどまるところを知りませんでした。どんなに細かいことでも、思いつくことは何でも挑戦していったのです。

営業も、開発も、製造も、一人ひとりの負けたくないという想いと御客様へ安心、安全を贈りたいという情熱があって、TASTONのロープはいつのまにか道具にこだわりのある全国の御客様の間でも噂となり、リピートが相次ぐようになっていきました。気がつけば、国内トップクラスの生産量。同業者の淘汰が進む中、石田製綱は抜きん出た存在として、勝ち残っていきました。

生産設備への投資大分工場、1990年竣工。設備投資額20億円。上海工場、2001年竣工。設備投資額10億円。生産設備もほぼ全て別注。カスタムメイドで業界内では最高の機械を整えました。上海工場は2010年、2011年と続けて投資を行い、本社・大分工場においてもロイヤル加工機、ザクロス機の設備投資を行うなど、お客様のニーズに適した商品を創り出すための努力を惜しむことはありません。
生産拠点を完備し、各拠点ごとに生産工程を設けることで、一貫体制を作ることができました。これにより短納期や、FA化を充実させたことによる経費削減にちなんだコスト削減等、商品の品質以外の面でも、お客様の期待に応えることができるようになったと自負しております。

石田製綱の歩み

1919年(大正8)
故 石田末蔵氏、麻索工場として石田製綱所を形原町市場に創業。
1936年(昭和11)
事業拡大により現在地に工場移転。
1945年(昭和20)
三河地震により工場全壊。
1948年(昭和23)
事業の発展に伴い、株式組織に変更。資本金80万円にて石田製綱株式会社として発足。石田末蔵氏、代表取締役就任。
1953年(昭和28)
資本金120万円に増資。
1954年(昭和29)
his001.jpg麻ロープ日本工業規格表示許可工場として許可。(認可番号3305)
1959年(昭和34)
資本金216万円に増資。
資本金600万円に増資。
1961年(昭和36)
資本金900万円に増資。
1963年(昭和38)
his002.jpg資本金1,200万円に増資。
合繊ロープの製造開始。
1964年(昭和39)
ビニロンスパン(3ツ打)NK.認可。
資本金1,500万円に増資。
1965年(昭和40)
his003.jpg落雷により工場全焼。
工場新築。
1966年(昭和41)
ビニロンマルチNK.認可。
1967年(昭和42)
石田製綱株式会社の紡糸部門として、石田化学株式会社設立。
his004.jpg大型船舶化時代に対処すべく、愛知県クロスロープ工業協同組合の設立に参加し、
ロープ総合メーカーとしての基盤を築く。
his005.jpgクレモナ1号(3ツ打)
ハイゼックス(3ツ打)
NK.認可。
1968年(昭和43)
ハイゼックス(クロス)NK.認可。
1969年(昭和44)
資本金2,000万円に増資。
ポリプロピレンスパン(3ツ打)
ポリプロピレンマルチ(3ツ打)
ポリプロピレンモノ(3ツ打・クロス)
ナイロン(3ツ打)NK.認可。
1970年(昭和45)
漁業用、船舶用クロスロープおよびバインダー紐などの需要増大に伴い旧設備機の廃棄を断行、新鋭機の設置を実施。合繊ロープの一貫製造工場に合理化する。将来に備え、幸田地区に建坪4,000m2の幸田工場を新築。
ナイロン(クロス)NK.認可。
1972年(昭和47)
石田康太郎氏、代表取締役就任。
1974年(昭和49)
石田化学株式会社を新康株式会社に名称変更。
JIS合繊ロープ日本工業規格表示許可工場として認可。(許可番号473066)
JIS L2703 ビニロン
JIS L2704 ナイロン
JIS L2705 ポリエチレン
JIS L2706 ポリプロピレン
1975年(昭和50)
防衛庁入札資格工場の指定を受ける。資本金3,000万円に増資。
1976年(昭和51)
ポリプロマルチ(3ツ打・クロス)NK.認可。
1979年(昭和54)
商標マルスエをタストンに改称。
ダイヤロンライトをタストンライトに改称
1982年(昭和57)
コンヨシ化工にてタストンライト原糸製造開始。
1983年(昭和58)
関連会社、新康株式会社より注連縄全国一斉発売。
タストンライト(3ツ打・クロス)NK.認可。
1984年(昭和59)
岩糸、細物ロープの需要拡大に対処すべくレーヤーの増設に伴い、工場生産ラインの合理化を図る。事務所新築移転。
1985年(昭和60)
his006.jpg幸田工場にて建設用シートのクリーニング開始。
1986年(昭和61)
受注の増加に伴い増産計画に着手。
1988年(昭和63)
形原町会下にて第二工場生産開始。
1989年(平成元年)
熱処理の時代に対応して大型ロイヤル加工機導入。
1990年(平成2)
大分県国東町に敷地92,000m2取得。
1991年(平成3)
his007.jpg4月、大分県国東町に建坪6,600m2新工場竣工。
1992年(平成4)
ロイヤル加工機3号導入。
1994年(平成6)
第二工場の機能を本社に集約。
1996年(平成8)
幸田工場クリーニング新鋭機導入。
ロイヤル加工機4号導入。
1997年(平成9)
法面ロイヤルセーフロープ開発。
1999年(平成11)
his008.jpg80周年記念式典。
40型、12型ロイヤル加工機改造。
法面ロイヤルセーフⅡロープ開発。
2000年(平成12)
his009.jpg70型ロイヤルザクロス機導入。
エスロンキング販売開始。
2001年(平成13)
his010.jpgタストン5の需要増加によりルーダー増設。
2002年(平成14)
his011.jpg生分解性繊維の研究開発・開始。
中国江蘇省江陰市に江陰石田製綱有限公司新工場竣工。
ルーダー機2台増設。
ロイヤル加工機5号導入。
2003年(平成15)
ロイヤル加工機6号導入。
2004年(平成16)
中国仕立工場竣工。
ロイヤル加工機7号導入。
2005年(平成17)
100型クロス機・ロイヤル加工機8号及び9号機導入。
大分工場にてISO(9001:2000)認証取得。タストンセブン原糸開発。
2006年(平成18)
ロイヤル加工機10号導入。
ルーダー機増設。
2007年(平成19)
石田幸太郎氏、代表取締役就任。
2008年(平成20)
ISO 本社・大分工場、統合認証取得。
40型クロス機・40型ザクロス機・ロイヤル加工11号機導入。
2009年(平成21)
タストンライト、タストン5原糸NK.認可。
ザクロスライトミックス、タストン5(3ツ打・クロス・ザクロス)
タストンライト(3ツ打・クロス・ザクロス)、タストンマック(3ツ打・クロス・ザクロス)
ナイロン(3ツ打・クロス・ザクロス)、ライトミックス(3ツ打・クロス)NK.認可。
新JIS認可取得。
2010年(平成22)
超低伸度ロープ開発のためロイヤル加工機8号を改造。
スーパーU NK.認可。
2015年(平成27)
石田徳太郎氏、代表取締役就任。
2016年(平成28)
大分工場増築1600㎡。
90型ザクロス導入。
2018年(平成30)
ロイヤル加工機改造。
100周年記念式典。
2019年(令和元年)
石田一太郎氏、代表取締役就任。